愛と怒りと悲しみの

とある理系サラリーマンのばら撒き思想ブログ

ネット言論のアキレス腱

先日の記事に、インターネットの言論は、弱者の武器であると書いた。

clacff.hatenablog.com

インターネットの言論は核兵器のように強力であるが、特に環境を汚染するようなものではないので、どんどん使って戦うべきだと書いた。

 

しかしインターネットの言論は、核兵器ほどに強力ではあると言っても、実際のところはとても脆い弱点を抱えている。

 

今回は、インターネットの言論のアキレス腱と、その防御手段を書こうと思う。

炎上を恐れる強者の立場ならば、こういうところを狙うといい。

炎上で戦う弱者の立場ならば、その弱点を知って防御することが必要だ。

 

 

1.インターネットの炎上を支えているもの

基本的にインターネットにおいては、掲示板やツイッターのような書き込みやすい媒体ですら8割がROMであり、自分から意見を発信する人間は少ない。

gendai.ismedia.jp

先日取り上げた現代ビジネスの記事でも言われているように、インターネットの炎上で直接的に攻撃力を発揮する人間は、一つの炎上でせいぜい5~6人だと言われている。

 

 ・インターネットに長時間張りつけるほど金と時間に余裕がある人間であること

・社会における人間関係を特定する技術を持っていること

・インターネットの文化やセキュリティに詳しいこと

・それらの成果を発信する気概があり、警察を恐れない人

考えてみれば、以上の条件を全部満たした戦士など、そうそういるわけがない。

だからこそ、そうした人間は昔から「神」と呼ばれてきた。

 

そして、その5~6人の神が、インターネットの言論におけるアキレス腱であるといえる。

 

 

2.インターネットの言論の脆さ

インターネットで言論を展開する弱者にとって、一番怖いのは、その5~6人の神が特定されて潰されてしまうことだ。

 

実際、炎上が完全に終結するパターンの一つは、「警察が介入して犯人と詳細が全部明らかになること」である。

だから、炎上させる側も警察沙汰にはならないように細心の注意を払う。住所の特定もスネークも、ぎりぎりのレベルを狙って行われる。

 

最近では、優ちゃんの遠隔操作事件が(比較的)記憶に新しいかもしれない。

www.sankei.com

この事件も、最後は警察の張り込みによって終結した。

「誤認逮捕されて人生終了した人はどうなる?」という言論は残っていたはずにもかかわらず、炎上はそこで終了した。

 

 インターネットは弱者の武器であるが、リアルの世界においては、やはり世界を支配しているのは強者の方だ。

警察が本気を出せば、5~6人の神を取り押さえることは、少なくとも神がネットを炎上させることよりは簡単であるはずである。どう考えてマンパワーで勝っているとは考えづらい。

また、一定以上の社会的地位を持つ人物であれば、弁護士がきちんと調査したうえで「晒してくれた奴は訴えるぞ」と言い切ることもできる。こうされてしまったら、5~6人の神などひとたまりもない。

それに、もともと5~6人の神は、炎上の加担において反社会的なギリギリの行為を行っている。だからこそ、神と呼ばれているわけで。そのような前提であるから、突かれると非常に脆い存在ではある。

 

 

少し小噺として、「法治社会において最終的に一番強いのは医者」だという話を聞いたことがある。医者ならば、診断書を書いてしまえばどんな人間でも合法的に殺せるから、だと。

どんなに偉い政治家でもヤクザでも、例えば「事務所が火事で全員死亡」とかいう事件があったら、怪しまれるし調査もされる。しかし、ある程度権力を持った医者が、誰かを心不全だと言って診断書を書いてしまえば、完全にそれまでで調査もされないから。

天皇や大統領ですらも、最終的には医者によって殺されていると言える。

 

それと同じで、たとえネットの社会でどんなに強くなったとしても、リアルの社会においてはどんな神でも死の危険性がある。

インターネットを構成する通信や電力といった物理的なインフラは、リアルの社会と不可分であるため、これはそうそう奪われたりはしない。

しかし、たった「5~6人の神」ならば、いざとなれば狙い撃ちされるものだと考える。

これならば失っても特に社会の害にはならないので、強者にとって都合の悪い炎上が起きれば、平気で逮捕されるだろうと考える。

(というか犯罪行為をやってたら普通に逮捕されるよね。)

 

 

3.ネットの言論が負けないために。

社会における弾圧や不当逮捕に対抗し、正義を示すための手段の一つとして、

「たとえ私が死んでも正義は受け継がれる!」

というものがある。

歴史を振り返ってみると、近代的な民主主義や自由主義などは確かにこうやって勝ち取られてきた。

 

しかし、この戦法はインターネットの言論においては多分通用しない。

民主主義や自由主義ならば、学の無いものがそれを聞いても、理解して実行することができる。しかし、インターネットにおける言論については、そうもいかない。

先述したように、「神」になるためにはとても厳しい条件と高い技術力が必要である。

 

「私が倒れても第二第三の神が現れるだろう…!」という期待は多分成り立たない。

たしかに、言論における活動力みたいなものは、おそらく一定量は存在するのだろう。

彼らが全員討ち死にしたとしても、また何十人かは、風紀委員に立ち上がる人が出てくるだろう。逆に神が倒されたことで、義憤に駆られてより力を発揮する人もいるだろう。

でも、その風紀委員が、もといた神より強いかと言われれば、たぶん強くはない。

 

 

本気でインターネットの言論でリアルの強者に勝とうと思うならば、以下のことが必要だ。

・神は死ぬ前に技術を公開すること

・その技術を継承して、洗練させること

次世代の芽が、枯れずに大きくなる方法はこれしかない。

 

例えば、以下のような技術だ。

togetter.com

togetter.co

電車の音で住所を特定するとか、そういった戦うための技術はどんどん公開するべきだと思う。むしろ、向こう側もこういった技術を使って潰そうとしてくるはずなので、身を守る手段としても技術を知ることはとても重要だ。

 

テロリストは手口を秘密にしたほうが有利ではないか?という意見もあるだろうが、おそらく現在ストーカーが知っているようなことは、本職の警察ならばもうとっくに知っている。知らないのは一般人だけなんだ。

 

技術や情報は、潰される前に拡散していかなければいけない。

ノウハウを分かりやすく、伝わりやすくまとめるというのは、ここにおいても必要とされている技術であると思う。