愛と怒りと悲しみの

とある理系サラリーマンのばら撒き思想ブログ

「断捨離」の楽しみ方ガイド

 

もう、こう定義したほうが話が早い。

断捨離とは、レジャーだ。

 

捨ててもったいない、捨てられてかわいそう、ではない。

捨てて楽しい!捨てて面白い!である。

いいレストランで食事をしておしゃべりをして、心と食欲を満たすのと同じだ。

金を持って店に入った以上、「家畜さんと植物さんが殺されてかわいそう」なんて考える方が的外れなのだ。

 

togetter.com

断捨離というレジャーを紹介してみんなで楽しむために、こういうテレビ番組が作られる。

手段はゲスであっても動機は純粋で曇りない。

 

とても楽しいレジャーだから、他人にお勧めしたくなる気持ちが生まれる。

そういう心が広まった結果、断捨離という言葉はここまで流行して、(一見すれば)不幸な事故がたくさん起こったのだろう。

 

繰り返す。

断捨離とはレジャーである。ライフハックではない。

断捨離が、自分や家族の現状を良くするための手段だと思っているなら考え直した方がいい。

断捨離とは、ある意味無駄なコストを払って、一時の感情を楽しむためものである。

 

今日は断捨離というレジャーの楽しみ方を紹介しようと思う。

 

 

目次:

 

 

 

1. お手軽に断捨離気分を体験できる方法

テレビゲームをプレイする人は、断捨離の楽しさを疑似的に体験できるいい方法がある。

 

FFでもドラクエでもGジェネでもいい。

自分が昔クリアした、(できればオンラインでない)RPGかシミュレーションのセーブデータをロードしてみよう。

そしてそのデータの、アイテム・装備・自軍ユニット等をすべて売り払ってみよう。

 

・どれぐらいのお金になるんだろう?カンストするかな?

ラグナロクって売れるんだwww結構高いwww

・かたみのゆびわ1ギルかよwww

 

そういう遊びをやってみたことがあるが、結構楽しい。クリア後にやる遊びとしてはお勧めだ。

装備もアイテムも全部なくなった状態で、もう一度ラスダンに挑むのもまた面白い。

 

一通り楽しんだら、セーブデータを上書きしないようにして電源を切ればいい。

これで、断捨離というレジャーを疑似体験することができる。

 

 

2. 脳に生じている作用

断捨離というレジャーを実行すると、事情はどうあれ結果的には手元から持ち物がなくなる。

部屋が片付いて、なにかすごいことをした気分になれる。

普段行き詰っている家事を一気に解決できるような期待感に胸を膨らませることができる。

 

自分の持ち物を失ってしまうというリスクを背負うこと自体も高揚感を生み出すための大事なスパイスだが、捨てたいけど捨てるのはつらい。そういうジレンマはなんとかしないといけない。

そこで、間を取って「家族のものを捨てる」というとても手頃な選択肢を取ってしまう。

 

断捨離で不幸な事故が起こるときは9割以上は家庭内の話である。

自分の物じゃないけどよく知っている物。

普段から片付けないといけないと思っている物。

失うことのダメージは小さく、整理した時のメリットは大きい。

だから、旦那や子供の持ち物を捨てればいい!とひらめいてしまう。

そんな都合のいい答えが、主婦の目の前に転がっている。

 

こういった判断をするまでにはそれなりの葛藤や罪悪感はあったのだろう。

もし最初から全く無かったら本当にサイコパスだ。

 

その罪悪感は、断捨離という「流行ってみんなが使っている言葉」が消してくれる。

みんながやっているから正しい、という免罪符。

頭を使って考えることはコストであり、言葉にだけ従えば頭は使わないで済む。

別に、「なるべく無駄なことを考えないようにする」という原理自体は、文系の学問においてですら正しい原理だ。

思考停止を求めること自体は間違っていない。

このレジャーをやると決めたのならば、もうそれを貫き通した方がいい。

 

 

3. 価値を考えてはいけない

断捨離とは、レジャーである。

捨てること自体を楽しむレジャーである。

 

それ以外の正義は存在してはならない。

これを捨てればあれができるようになる!なんて考えて断捨離しちゃいけないし、これを売り払えばこれだけの価値があるかも!なんてことも考えてはならない。

 togetter.com物を捨てること自体が楽しくて価値があるので、物自体の金銭的価値などは二の次である。

 

だから何度でも言うが、もし断捨離をされたくない側に立っているなら、「価値があるから捨てちゃダメだ!」と主張する戦法は絶対にダメだ

 

もしそのガラクタに、価値があるということが分かってしまったら、もっと地獄であるからだ。

 

・なんでそんな何万円もするものを寝かせてるの?使わなきゃ意味ないでしょ?

・全部合わせてもせいぜい~万円じゃない。捨てましょう!

・今までそんな無駄遣いをしてきたなんて!これからのためにも卒業しなきゃ!

 こんな即死魔法が連続して飛んでくるようになる。

 

大体、今日日ネットでオークションをあたれば普通のお宝なんて数千円で片が付くケースがほとんどだ。激レアものであっても普通に所有できるものなら5万もあれば大抵は買えてしまう。

 

数万~十万円程度である。あなたが今まで収集してきたお宝の総額は。

普段旅行や被服に使っている値段と大して変わらないわけだ。

「これ全部処分してみんなで海外旅行しましょう!その方がいいでしょ?」とか言われたらもう回避不能である。

それほどまでに「価値があるから捨てちゃダメだ!」という戦法はリスクが高い。

 

なお、当然のことながら「勝手に断捨離するな!お前のも捨ててやろうか!!」という戦法はもっとダメだ。

断捨離という暴挙を止めるためには、ちゃんと話し合って日常の楽しみや快適さを地道に整備する以外の道は無い。