【9:1ダイヤ】会社の上司が持つ8つの武器【クソゲー】
今日は、サラリーマンの職場における、人間関係のライフハックの話でも書こうと思う。
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あなたは職場において、「上司になかなか認められない…」と思ったことはありませんか?
あるいは、上司であるあなたが「部下がなかなか実力をつけてくれない…」と思っていませんか?
会社における部下と上司は、同じ人間であってもそれぞれの個性や能力が大きく異なります。
そして何より、持っている「武器」の数が違います。上司の方は、部下に比べて非常に多くの権限を与えられています。対等な立場に立ってものを考えることは、非常に難しいものです。
「あいつはダメなやつだ」とあきらめてしまう前に、お互いが持っている、「仕事の上での武器」を確認してみましょう!!
目次:
1.上司は部下より「圧倒的」に多くの権力を持っている
一言で言うと、会社における上司と言う立場は、部下に比べて圧倒的に多くの武器を持っている。
上司と部下がぶつかった場合は、何がどうあっても上司が負けることはない。
上司がわざわざ意識して手を緩めない限りは、部下が上司を超えることなど、ありはしない。
「部下がなかなか実力をつけてくれない…」と嘆いたところで、「上司になかなか認められない…」と嘆いたところで、上司が勝って部下を潰すだけならば、実力に関係なく、とても簡単なことである。
だからこそ、上司になる人間は、その前提を理解した上で、部下をものすごく慎重に扱わなければならない。
そうやって信頼を勝ち取らなければならない。
以下に、上司が持っているチート武器の一覧を示す。
2.上司が持っている、仕事においてのチート武器一覧
【チート武器その一】上司は、部下に供給する情報量を操作できる。
仕事の技術や知識だけでなく、日常の単純なホウレンソウでも、全部の情報を教えないことができる。仕事を進めるのに必要な情報の、一部分だけを断片的に教えることができる。その結果、言った言わないの水掛け論をするまでもなく、意図的に後出しジャンケンができる。
上司としては、完全に全部教える暇がないのかもしれない。言わなくても部下の方から気付いて欲しいのかもしれない。しかし、そのような事情すらも、「教えない」ことができる。
部下は「上司が全部教えなかったぞ!」という糾弾をすることができない。部下としては、言われたことしか聞くことはできない。
【チート武器その二】上司は、仕事をしないことができる。
先の例でも、「教えなければいけない」という仕事を回避している。
上司が部下から見て、完璧に仕事をやっている必然性はない。
その上司のさらに上の上司から見た場合は、確かに完璧に仕事ができていないとダメなのだが、部下から見た場合は、完璧に仕事ができていなくてもいい。部下にとって必要な仕事も、意図的にサボることができてしまうんだ。
部下は、上司に対して「アンタ仕事やってないじゃん」と糾弾することができない。
上司は、自分の手持ちの仕事量を隠すこともできるので、「上司にはもっと大変な仕事がたくさんあるんだろう」ということを信じ込ませることができる。
その結果、忙しい上司は「お前はもっと頑張らなくてはいけない」と逆に押し付けることもできる。
【チート武器その三】上司は、知らないフリができる。
上司が部下に教えなくてはならないことであっても、上司は知らないフリができる。上司が調べればすぐにわかることであっても、調べないことができる。
例えそれが、仕事を進めるうえで必要な知識であり、例えばJIS規格とか書類の番号などの、全員が知らなくてはならない共有事項であっても、上司は知らないフリができる。
部下は、上司に対して「上司ならこれぐらい知ってなきゃダメだろ!」と糾弾することができない。
なぜなら、上司は「何を持って当然とするか」というレベルを操作することができるからだ。
もしそこを突破して、「本当に上司が無知だった」という結論を導けたとしても、上司としてはまだ後出しジャンケンができる。「なぜおまえだけが知っていることを共有しなかったのか?」という責任を、部下に押し付けることができる。
だいたい、上司は、その仕事に関する知識経験はもちろん部下より多いはずで、部下が頑張って勉強したところで、上司を上回ることは根本的に不可能なんだ。
【チート武器その四】上司は、スコアをいじることができる。
なぜなら、部下を評価するのも、上司の仕事だからだ。
部下は満塁ホームランを打っても0.1点。
上司である自分は単発ヒットでも10点。
例えばこんな横暴なルールでも、自分の中だけで制定できて、正規のルールとして採用することができる。
部下の方が、「上司になかなか認められない…」と思い悩んで全力疾走したところで、ゴールの位置はどんどん遠ざけられる。アキレスと亀みたいなものだ。
【チート武器その五】上司は、不確定な内容を判定することができる。
職場における仕事の答えに、「絶対」なんてものが決まっているケースは少ない。
何が良くて何が悪いかは、時と場合によって変わるし、その変化を予測することは株主だってできない。
相手の感じ方や不文律、「決まっているわけじゃないけどなんとなくこうしておいた方がいい」といった経験など、多くの仕事はこういうもので成り立っている。
しかし上司は、その中で部下がどれを選ぶのが正解なのかを、判定することができる。
判別ではない。元々正解など分からないのだから、見てから好きに「判定」ができる。
仕事とは、やり方は一つではないし、正解も一つではない。そもそもそれほど厳密性を必要とする仕事も、そう多くはない。
しかし上司は部下に対して、「オレの方法」だけを唯一の正解として判定することができる。
例えるなら、「スパロボの育成にケチをつける同級生」みたいな真似が、合法的にできる。
【チート武器その六】上司は、さらに上の上司の反対意見を、回避することができる。
上司が係長だとして、その上の上司に部長がいるとする。
係長と部長と、部下である自分が同時に話をできるケースはそもそもレアである。
そしてそのような状況になったら、係長は部長にヘマを見せないように、特別に警戒するであろう。
そんな状況で、部下である自分が、上司のチートっぷりを告発をするのは、非常に危険な行為である。
仮に絶対的な証拠があったとしても、部長は係長を叩いて潰すようなことは、よほどのことがないとできない。それどころか、どちらかを叩かなければならない状況になったら、実績と経験がない部下の方を叩くだろう。
また、上司と自分が二人だけでいるときに、「部長がそう言っていましたよ」と言うこともできるが、その技も通用しない。「そんなの知らない」「お前の聞き間違いではないか」という意見を通すことができる。
上司がその部長をよほど個人的に信奉しているならまだ話は違うだろうが、実際のところは、上司は部長も認めてはいない。むしろ多くの場合で、「上に媚びないオレかっこいい」と思っている。
この上司のチート武器は、部長が叩いて直すこともできないわけだ。
【チート武器その七】上司は、殺すことができる。
チート武器その四でかいたように、上司の仕事の一つは部下を評価することである。
しかし結果を好きにいじることができる以上、「コイツはダメだった」という結果を自分で認定し、報告することができてしまう。
部下がいろいろ頑張って対処をしたところで、上司はいつでも部下を処断することができる。
リセットボタンどころか、電源ボタンがいつでも向こうから押せてしまうんだ。
【チート武器その八】上司は、生かすことができる。
上司は、部下に対しては相手の勝ち負けだけでなく、自分の勝ち負けも意図的に操作することができる。自分自身だけは、何がどうあっても生かすことができる。
例え上司が間違っていたと自分で気づいたとしても、それを認めて死ぬか死なないかは自分で選べる。
間違っていたら自分から自殺する、という強固な信念を持った人間でない限りは、自分自身だけは何があっても死ぬことはない。
3.「9:1ダイヤ」のゲーム
上司は、部下と違ってこのようなチート武器を持っている。
こんな強力な武器は、例え一つだけでも使ってしまったら、対等な勝負は成り立たない。
それが8個もある。
- 相手のミスによってしか自分の攻撃が通らない状況
- 通ったとしてもせいぜい一発だけでとても体力差で勝てない状況
これは、格闘ゲームでいう「9:1ダイヤ」に当たる。
なおゲーメストの割り振り方式において、この9:1というのは「10回戦えば1回は勝てる」という意味ではない。
「勝つ確率が0%」を意味する10:0ダイヤというものが現実的にありえないため、絶対に勝てないということを便宜的に表すために、一つ下の9:1という指標を用いている。
つまり、部下にとってはクソゲーである。
上司は、経験を積んでスキルがあるから、偉い。
だから強くていい、という言い分も確かにある。
上司だって実際には、普段の仕事において、チートばかりではなく、正しいことも多く言う。
経験とスキルに裏打ちされた指示ならば、多少理不尽でも一理ある指示なのであろう。
しかしその事実が、変に正しい部分も含んでいるだけ、タチが悪い。おかげで上司は自分の悪意に一生気付かない。
それに、スキルや経験で正義を語るならば、普通の上司より、その業界をいくつも渡り歩いている派遣社員の方が偉い。受験勉強に没頭している高校生のほうが偉い。そういうことを認めなければならなくなる。
上司は理不尽であっても、逆境に負けずに頑張る部下は偉い。
例えば、「見習い10年、親方の技を盗め」といったような頑固な世界なら、上司が職人気質みたいな姿勢を見せることで、部下が憧れを覚えて、より一層の努力を重ねるというパターンも、無いではないだろう。
しかし、よく考えてみてほしい。
例えそれで一人前になったとして、高い所から自分に石を投げ続けてきた人間を、本当に尊敬することができるのかを。
いくら部下を育ててくれたのが上司であったとしても、この「恨み」を帳消しにするほど素晴らしい指導をしてこれたと言えるかどうかを。
それをよく考えてみてほしい。